■Happy End #2 In Park

間に合わなかった……

せっかくチャンスを手に入れたと思ってたのに。





見つけなきゃ。

私は無我夢中だった。
彼に運命を感じ、初めての恋をした。
こんなに嬉しいことは今まで無かった気がする。

今までの私はきっと、閉じられていた。
今までも父親の紹介で何人かの男性には会った。
でも、ここまで自分の感情を剥き出しにして追いかけるようなことはなかった。


なぜ、彼に魅力を感じたのか。
なぜ、彼に魅かれてしまったのか。
なぜ、彼なのか。



学校の窓から彼を見ていても、彼を追いかける女性は誰もいなかった。
私だけなのだろうか?

いや、私だけのほうがいい。
彼を私だけのものにしたい。
今まで封じ込めていた特殊な感情が、この数分間の間に一気に溢れてくる。


歩道沿いの公園のベンチに座って、ようやく落ち着きを取り戻した。
それでも……抑えられない。



何年ぶりだろう?
こんなに心が躍ることなんて、本当に無かった。
生きている。

私はやっと実感できた。
これが、「生きている」事なんだって。

やっと生きる目的ができた。
もう、迷わない。
私は彼を手に入れる。
絶対に。
必ず。


私は彼を探しに公園の中を散歩することにした。