■Happy End #3 Happy End
公園には、私の目的の彼はいなかった。
よく考えてみれば今は平日のの11時頃。
公園にはほとんど誰もいないはずなのに。
帰ろうかな。
でも今帰っても父はいない。
いない方が良いけど。
家には入ることができない。
またいつものような無駄な思考が頭を侵し始める……
でも、それはすぐに吹き飛んだ。
彼は、そこに、いた。
彼は、私の立つ歩道の反対側の車線にある車に乗っていた。
ようやく、私の、目的が、達成される、時が、来た。
全てはここから。
私の人生はここから始まる。
あなたと出会い、そしてあなたを手に入れて。
あなたと交わってあなたの子どもを産んで。
あなたと過ごして子どもを見送る。
あなたと共になら喜んで死ねる。
あなたと……あなたと……
「おい!早く出せ!」
誰?そんな大きな声で彼に叫ばないで。
私は彼のところへ行くの。
邪魔しないで。
「金は手に入れた!行くぞ!」
ちょっと、大きな声を出さないで。
そんな声で彼に話しかけたら迷惑するじゃない。
彼に何をする気なの?
「分かった!飛ばすぞ!」
……え?
彼の車は猛スピードで発進した横断歩道に立つ私は跳ね飛ばされた全てはスローモーションになった
私の体を痛みが襲った私は宙を舞っていた車の中が見えた二人の覆面の男たちと大きな鞄が見えた
男たちは驚いていた車には拳銃もあったwatasigasaigonimitanohakarenozetuboutekinahyoujyou............
私はそのまま目覚めることはできなかった
でも父は私を生かしておいた
父のエゴによって私は生かされている
あの男は私を大切にしているつもりなのだろうか
今感じられるのは体にまとわりつくチューブの感触のみ
それから私は50年生かされ続けた
あの日の自分の行動を悔やみながら
End